本日は、我々が高価で買取を行なっている、特に貴重な原鈐印譜についてご紹介いたします。原鈐印譜とは、印章を押捺、あるいは印刷して本の体裁にしたもので、原印に直接印泥をつけて押したものを指します。これらは書道における碑帖の原拓と同じく、その価値が非常に高く評価されています。

買取強化中の原鈐印譜

  • 『故宮博物院蔵印集』: 中国の故宮博物院が所蔵する篆刻(印章)の蒐集と研究に基づいたもの
  • 『鴨雄緑斎古璽印選』: 中国古璽印蒐集家である著者の菅原石廬氏(鴨雄緑齋)所蔵の古璽印
  • 『龍泓山人印譜』: 有名な“西泠八家”の一人字敬身 号 竜泓山人作品
  • 『印印』全八十二冊: 日本の昭和初期から戦後にかけての篆刻界の様相や時代観を伝える希少本

原鈐印譜の歴史とその価値

印譜は、その歴史と由緒ある背景からその価値が大きく左右されます。最初の印譜は中国北宋の大観年間に楊克一が出版した『集古印格』とされ、その後も宋・元を通じて16種の印譜が出版されました。しかし、これらはすべて翻刻であり、原鈐本が伝わる最古の印譜は明代の隆慶6年(1572年)に出版された顧従徳の『集古印譜』であるとされています。この印譜は初版が僅か20部で、秦・漢の古印の印影を1700方余り集めている非常に貴重なものです。

原鈐印譜と江戸時代の日本

江戸時代に入ると、漢学の教養が広範囲に共有されるようになり、中国の士大夫の教養が日本の文人たちにも伝播しました。その一つが篆刻です。特に明末清初の影響を受けた十七世紀後半から十八世紀前半の篆刻は試行錯誤の時代といえるものでした。それは獨立性易や東皐心越の来朝による刻法の移入が大いに影響を与えました。

この時代を経て、高芙蓉の登場により、秦漢の古印の研究に根ざした印風が全盛を迎え、篆刻の風潮は一層盛んになりました。近代に入ると、中国との交流が盛んになったことにより学習環境が整い、清朝の情報を自らの制作に反映できるようになりました。そうして五世浜村蔵六や初世中村蘭台のような作家が登場し、日本の篆刻文化も大いに発展しました。

あなたの持つ原鈐印譜も高価買取いたします

古書店燦々堂では、これらの原鈐印譜の買取を強化しております。その価値は、印影の美しさや歴史的背景だけでなく、篆刻家の意義を受け継いだ印譜そのものにもあります。また復刻や摸刻印譜につきましても、需要と希少性を踏まえ適切な価格でお値段をつけさせていただきます。書道本・篆刻関連古書・印譜の買取は燦々堂へお気軽にお問い合わせください。

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